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強化と弱化

行動の学習理論の中で基礎となる理論が、「強化・弱化」です。
行動は「行動後に起きた結果」によって増減します。


定義

行動の直後に強化子が出現し、行動が増加・維持した…強化

  • 行動の直後に弱化子が出現し、行動が減少した…弱化

強化子とは、行動後に出現すると、その行動の発生頻度を上げる物や出来事の事です。好子とも言います。犬にとってメリットのある事が、だいたい強化子になります。反対に、弱化子は行動の発生頻度を下げる物や出来事の事です。嫌子や罰子とも言います。犬にとってデメリットのある事が、だいたい弱化子になります。(英語の訳なので、色々な言い方がされています) 強化子か弱化子かは、その行動が増えたか減ったかで決まります。
こちらが強化子のつもりで与えていても、行動が増えなければそれは強化子ではなく、また、行動が減らなければ、弱化子ではありません。
「褒める」というのも落とし穴で、こちらが褒めているつもりでも、犬にとってメリットでなければ、行動は増えないのです。

例)散歩中、犬とすれ違う度に吠える。

その度に、リードを引いて叱った。だが、吠えは一向におさまらない。
この場合、「吠える」行動の直後に、「リードで引かれる」という出来事が起こっています。
そして、行動は維持(増加)しています。なので、「リードで引かれる」事は「吠える」事に対する強化子であるといえます。
褒める、叱るという点で見たら、「リードを引く」という事は、叱る事、罰であり、行動を減らす事になりますが、実際に行動が減らなければ、人は罰(弱化子)のつもりで与えていても、弱化子ではなく、むしろ強化子になっている場合もあるのです。
このように、強化子かどうかは実際に調べてみないとわかりませんが、考え方はシンプルです。

  • 例)散歩中、犬とすれ違う度に吠える。

  • 例)飛びつくと、「やめなさい」と声をかけられた。

    人を見ると、飛びつくようになった。
    この場合、「飛びつく」という行動の直後に、「声をかけられた」という結果が起こり、「飛びつく」行動が増えています。
    なので、「声をかけられた」事が強化子で、「飛びつく」行動が強化された、と言えます。
    ここで注意したいのは、強化子=褒める、弱化子=叱るということではない、という事です。
    先に書いたように、強化子となる物や出来事は概ね、犬にとってメリットです。 ですが、メリットとならなくても、行動が増える事もあります。

  • 例)飛びつくと、「やめなさい」と声をかけられた。

  • 〔弱化のリスク〕

    では、してほしい行動には強化子を与え、してほしくない行動には弱化子を与えればいいかというと、そうではありません。
    弱化には、様々なリスクがある為、問題行動も、やめさせようとしても、うまくいかなかったり、別の問題が出てくる場合もあります。

    「リスクの例」

    ・攻撃性が強くなる

    • ・一時的にしかとまらない
    • ・慣れる
    • ・萎縮して動かなくなる
    • ・その行動をやめても次にどんな行動をしてくるかわからない

    問題行動の場合は、どうやってやめさせるかを考えるのではなく、その行動の代わりに何をして欲しいかを考えて、してほしい行動を増やすようにしていきます。
    してほしい行動が増えれば、自然と問題行動は起こらなくなっているのです。

    弁別と般化

    弁別・般化は、概念の話になります。 物事をどう認識しているか、という事です。
    例えば、ここに二本のペンがあったとします。一つはボールペン、もうひとつはサインペン。

    では質問。この二本のペンは、同じものでしょうか?それとも違うものでしょうか?

    紙に字を書く道具としては、同じものです。 ですが、形や字が書ける仕組みは違うので、違うものとも言えます。

    どちらも、間違ったことはいってませんね。 このようにこの質問には、正解はありません。

    弁別とは、似たようなものでも、一つ一つ違う物と認識する事です。 般化とは、似たようなもの・共通点があるものなら、同じと認識する事です。

    上記のペン、を違う物と答えた場合は弁別をしていて、同じと答えた場合は般化している、という事です。

    ところで、犬は弁別しやすい生き物です。多少、弁別しやすい犬・般化しやすい犬と個体差ははありますが、、基本的に、学習したことは、同じシチュエーションで無いと、出来ないのです。 例えば、家の中でオスワリが上手に出来る犬がいたとします。ところが、外に出ると、全くオスワリができません。 この犬は、家の中ではオスワリの指示を理解していましたが、あくまで「家の中」でオスワリの指示が出た時に座る、という事を学習しただけなので、初めての場所でオスワリの指示が出されても、家の中ではないので、同じ指示として認識が出来ないのです。(場所を弁別) 同じ室内だとしても、少し位置を変えただけでも、犬は対応できなくなります。 場所だけでなく、指示を出す時の姿勢や人の来ている服、時間帯なども、少し変わっただけで、犬にとって同じ指示ではなくなってしまいます。 そのため、どこでもオスワリが出来るようにしたければ、色々なシチュエーションで練習をしていくしかありません。そして、色々なところで練習していくうちに、初めての場所、環境でも、いつの間にかオスワリが出来るようになっています。これが般化です。

    人や物に慣らす時も、弁別と般化が関わってきます。

    人が苦手な犬がいたとして、女性ばかり慣らしても、男性と女性を弁別してしまい、男性には慣れません。 あるいは大人にだけ慣れて、子供には慣れていない、という犬もよくいますね。 人に慣らしたいのであれば、老若男女問わず、色々な年齢の男性、女性にそれぞれ慣らしていく必要があります。 この時も、気づくと勝手に般化が起こっていきます。

    犬の行動において、必ずしも般化が良い、あるいは弁別が良いという事にはなりません。 その行動をどうしたいのかによって、弁別させたり般化させるのです。 この現象は勝手に起こりますが、コントロールすることはできます。 すなわち、弁別させたいなら、特定の条件の時にした行動だけ、強化します。 般化させたいなら、似たような状況から色々な状況でその行動をとった時に、強化をしていくのです。

     

    ドッグトレーナーが指示を出すと、ちゃんと出来るのに、飼い主が持つと出来ない、というのも、人を弁別しているために起こります。 弁別はどうしても起こってしまうので、飼い主の指示をきくようにするためには、飼い主も練習をするしかありません。同様に、家族の中で一人だけ頑張っても、その人の指示は聞くようになっても、他の家族の指示は聞きません。全員がそれぞれ練習をしないと、犬は弁別をしてしまいます。 この事を踏まえて、トレーニングは行わなければならないのです。

    消去と消去バースト

    〔消去〕定義

    行動の前後に変化がなく、行動が消失または減少した事 又は、強化を受けていた行動が強化を中断されたことにより、行動が消失又は減少した事

    このように吠えが強化されている状態から、吠えても一切声をかけないようにしたところ、吠える事がなくなった。この場合、吠える度に「声かけ」によって強化されていた行動が、「声かけ」という強化子が与えられなくなった(強化の手続きが中断された)事により、吠える行動をとらなくなった(消去が起きた)という事になります。
    オスワリを教えるのに、座ったらフードをあげていたのを、出来るようになったからとフードをあげなくなったら、オスワリをしなくなった、というのも、消去が起こり、座るという「行動」が消去されたという事です。  良い行動も悪い行動も、変化が起きない、強化がされなければ、消去されてしまいます。
    行動の後に何らかの変化が起こると、強化ないし弱化が起こるのですが、何も変化が起こらない時もあります。 その時は、行動が消失又は減少します。 行動が減少しても、弱化とは違い、変化は起きないので、弱化子は出現していません。 弱化のリスクも起こりませんが、強化しているわけでもないので、別の問題行動が出てくる可能性はあります。


    例) 吠える度に「うるさい」と言われ、吠える行動が強化されていた。

    このように吠えが強化されている状態から、吠えても一切声をかけないようにしたところ、吠える事がなくなった。この場合、吠える度に「声かけ」によって強化されていた行動が、「声かけ」という強化子が与えられなくなった(強化の手続きが中断された)事により、吠える行動をとらなくなった(消去が起きた)という事になります。
    オスワリを教えるのに、座ったらフードをあげていたのを、出来るようになったからとフードをあげなくなったら、オスワリをしなくなった、というのも、消去が起こり、座るという「行動」が消去されたという事です。  良い行動も悪い行動も、変化が起きない、強化がされなければ、消去されてしまいます。
    行動の後に何らかの変化が起こると、強化ないし弱化が起こるのですが、何も変化が起こらない時もあります。 その時は、行動が消失又は減少します。 行動が減少しても、弱化とは違い、変化は起きないので、弱化子は出現していません。 弱化のリスクも起こりませんが、強化しているわけでもないので、別の問題行動が出てくる可能性はあります。

  • 例) 吠える度に「うるさい」と言われ、吠える行動が強化されていた。

  • 〔消去バースト〕

    行動が消去される直前、一時的に行動が爆発的に増加する現象を消去バーストと言います。

    行動を維持している強化子を取り除く抜くと消去バーストが必ず発生します。
    消去バーストが出るという事は、抜いた強化子で行動は維持されていると確定出来、消去バーストが出ないという事は、取り除いたものは強化子ではないと言えます。

    拮抗条件付け

    定義

    嫌悪刺激と快刺激を同時に提示すると、嫌悪刺激が軽減する
    嫌悪刺激とは、怖い・苦手な物の事です。(車、掃除機、ドライヤー、の音、ブラッシングなどの手入れなど) 逃げたり、吠える、咬みつく、固まる、パニックを起こすなどの行動を引き起こす刺激です。 快刺激とは、嫌悪刺激とは反対に、好きな物の事です。(フードやオモチャ、撫でられるなど) これらもまた、犬によって快刺激となるもの、嫌悪刺激となるものが違うので、自分の犬にとって、何が快刺激で何が嫌悪刺激なのかを、まず調べる必要があります。


    注意点は、嫌悪刺激の強さです。

    たとえ、大好きなオヤツ(快刺激)を見せても、嫌悪刺激が強すぎると、拮抗条件付けは起きません。逆に、オヤツを見ただけで、嫌悪刺激を連想し、オヤツも食べなくなる事があります。これは、嫌悪条件付けと言います。
    どのような時に嫌悪条件付けが起こるかというと、快刺激よりも、嫌悪刺激の方が強い場合に起こります。  先ほどの車の例で言うと、通り過ぎる車との距離が近く、怖さが勝ってフードを食べるどころではないような状況で、車が通るたびにフードを見せていると、車がいないところでフードを見せても、食べなくなってしまう、という事です。 また、車の音がまだ聞こえているのに、始めに一粒だけフードを与え、後は音だけが聞こえる、という状況でも、快刺激がキャンセルされ、やはり拮抗条件付けは起きません。 嫌悪刺激がある間は、ずっと快刺激も与え続けなければならないのです。
    拮抗条件付けを使いながら慣らしていくには、まずは快刺激が与えられる程度の弱い嫌悪刺激から慣らしていき、だんだんと嫌悪刺激が強い状況にしていきます。 快刺激が与えられなくなったら(オヤツを食べない、オモチャで遊ばない)、それは嫌悪刺激が強すぎるので、距離をあける、音なら、音量を小さくするなど、嫌がり・怖がりなどの反応が出ない程度の刺激になるよう弱くして、行っていきます。 拮抗条件付けは、これを繰り返すことにより、気がつくと、勝手に起こっています。

    強化スケジュール

    行動の直後に強化子が出現し、行動が増加した事を強化という。といったお話がありましたね。 行動に対して毎回強化が起こらなくても、行動は増加または変わらずに維持し続ける事が出来ます。 それが、強化スケジュールというお話です。 強化スケジュールとは強化される回数や時間などの強化のされ方を言います。 

     


    ・連続強化スケジュール

    これは、行動をする度に、毎回強化される事です。 連続強化は、行動を100パーセント強化していくので、行動の増加の仕方は、急激に増加していきます。

     

    ・部分強化スケジュール

    行動した時、何回かに一回、あるいは何秒かに一回など、毎回でなく強化される事です。 強化の仕方は色々ありますが、代表的な4つを紹介します。

    ①固定比率強化スケジュール

    決められた回数の行動をした後に、強化子が出現します。


    例)オスワリを5回する度に、フードがもらえた。

    ※回数が決まっていると、強化子が出現した後はいったん行動をやめ、またしばらくすると行動をする、というパターンが出てきます。 一回強化子が出た後は、行動を休みますが、再び始めると、強化子が出てくるまでまた行動し続けます。 例の場合だと、5回目にフードをもらったら、次はすぐにはオスワリしません。しばらくすると、またオスワリをしだし、また5回目にフードが出てくると、再び座るのをやめ、しばらくすると、また座り始めます。

    ②変動比率強化スケジュール

    何回か行動をすると、強化子が出現します(回数は決まっていません)。 だいたい平均して○回、というようにして、ランダムに強化子を出現させます。


    例)オスワリをした時、始めは7回目にフードがもらえ、次は12回目、その次は9回目にフードがもらえた。

    この場合は、平均してだいたい10回前後に強化子が出現しました。
    ※固定比率と違い、行動を休むことはなく、一定のペースで行動をし続けます。

    ③固定時隔強化スケジュール

    前回の強化子の出現から一定の時間が経過してから行動した時に、強化子が出現します。


    例)2分ごとにアイコンタクトをとったら(人を見上げたら)、フードがもらえた。 (一度アイコンタクトをとったら、2分経つまでは、いくらアイコンタクトをとっても、フードは出てこない)

    ※固定比率と同じように、強化子が出現した後は、しばらく行動を休みます。そして、行動を再開すると、だんだんと行動のペースが速くなり、再び強化子が出現する時間に、一番行動のペースが速くなっています。 例の場合だと、一度フードをもらえた後はしばらくアイコンタクトをとらなくなりますが、2分が近づいてくるとアイコンタクトをとるようになります。

    ④変動時隔強化スケジュール

    前回の強化子の出現からある時間が経過してから行動した時に、強化子が出現します。(時間は一定ではない)


    例)一回目は2分50秒、2回目は2分30秒、三回目は3分30秒...というふうに、平均3分経過するごとに、アイコンタクトをとったら、フードがもらえた。

     

    この場合は、平均して3分前後経つと、フードがもらえました。
    ※行動は変動比率と同じように、休むことなく一定のペースで行動をし続けます。 ただし、変動比率よりも、行動のペースはゆっくりです。


    強化のされ方は色々ありますが、一定のペース、間隔で強化子が出現する場合は、行動の仕方にムラがあります。きっちりと決まった回数、時間で強化するより、ランダムに強化される方が、「次にいつ強化子が出るのか?」と、強化子の出るタイミングがわからないので、常に行動し続けるようになります。
    人では、ギャンブルで考えると、分かりやすいです。 スロットは、毎回コイン(強化子)が出るわけではありませんが、いつ当たるか分からないので、「次は当たるかもしれない」と、まわしつづけてしまうのです。
    もしまわしてもまわしても当たりが来なければ、強化子が出てこないので、消去がかかり、スロットを回すことをやめるでしょう。 あるいは、一定の時間が経つと当たる、ということであれば、一回当たったら、しばらくはやらず、当たりがでる時間が近づいてきた時に、また回し始めるでしょう。
    行動が定着していないうちに、強化子をあげないでいると、消去してしまいやすいのですが、ある程度強化がされている行動に対しては、ランダムに強化子が出たりでなかったりしても、行動はし続けるので、毎回強化子を出現させる必要が無くなります。 オスワリなどの指示も、始めは連続で強化して、だんだんと強化子のでるタイミングをランダムにしていけば、強化子がなくても、行動は維持されます(ただし、全く出てこないと消去がかかるので、たまに強化はします)。
    反対に注意しなければならないのは、してほしくない行動を「一回くらいなら良いか」と許してしまったり、強化子を与えてしまうと、強化スケジュールに乗ってしまい、なかなかその行動が消去されなくなってしまいます。 なので、してほしくない行動には、絶対に強化子が出現しないように注意しましょう。

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